DQI

ここは、始まりの書と呼ばれる場所である。

Lv.0:冒険書の作成をした。

——…ようこそ、名もなき空間へ。
あなたの名前を教えてください。

「****」

そう、いい名前ですね。
では、****。あなたの旅の記録、冒険の書を見せてくださいませ。

『冒険書No.001:アレフ』

確かに、保存しました。
では、記録に漏れがないか見てみましょう。
 

俺たちの冒険の書No.001〜ロトの血を引きし者〜

ぼうけんのしょ

    • Lv.1:竜王討伐を言い渡された。

      「勇者ロトの血を引く者よ! そなたの来るのを待っておったぞ」 開口一番に告げられたのはこの言葉だった。王族は話が長い。要約すると、『竜王が現れたので倒してこい』ってことだろう。旅のヒントもいくつか教えてもらえたので旅立つことにする。(俺で何…

    • Lv.2:初めて死んだ。

      「今日もボロボロだねー。一泊6Gだよ」 顔なじみになりつつある宿屋の女将に苦笑いされつつ、貰ったものと魔物と戦うことで得たお金で払う。連日ラダトームの町周辺で修行の日々だ。この宿はサービスが良好だが格安で泊まれる。言うなれば、城から援助金を…

    • Lv.3:ホイミを覚えた。

      「ここか」 地下深い洞窟が砂地の中央に聳え立つ。 進展したのはホイミの呪文を獲得したからだ。魔力的に一回分しか唱えられないが、窮地に追い込まれても避けられる。力強い回復魔法である。『おおカミよ! 古き言い伝えの勇者に光あれ!!』 そう言い、…

    • Lv.4:ギラを覚えた。

      「これは強い!」 ギラ、敵を攻撃できる呪文。魔力消費が回復魔法のホイミの半分で、尚且つ、竹槍より強い。魔力もここへ来て一気に上がったため、今まで以上に遠出ができる。資金難のため未だに銅の剣すら買えない自分には強力な呪文である。 これで気にな…

    • Lv.5:銅の剣を買った。

      「毎度あり、竹槍は5Gで引き取るぜ」 漸く手に入れた銅の剣。嬉しさのあまりつい掲げてしまう。これで千人力だと息が荒くなってしまった。防具も欲しいところだが、所持金が無いので(あの時、半分取られなければ盾ぐらい買えたのに)布の服で妥協する。 …

    • Lv.6:賢者を見つけた。

      「銀の竪琴?」「そうじゃ、それを持ってきたら、雨雲の杖を授けよう」 マイラの村の一度南に迂回した西側に祠がある。雨の祠と言われており、そこに一人の賢者がいた。その人の話も長く、要約すると『勇者の力試しに銀の竪琴を持ってこい』と言う話だった。…

    • Lv.7:ラリホーを覚えた。

      「…何だ。この呪文は…」 対敵に使う補助魔法であるらしい。掛けた相手を眠りに誘う。耐性を持った者には効かないらしいが、現時点では攻撃が痛いモンスター、つまり【がいこつ】に試してみる価値はある。「……マジか」 早速、出てきた【がいこつ】に掛け…

    • Lv.8:戦士の指輪を見つけた。

       洞窟の少し入り組んだ奥に二つの宝箱があった。その中に少しゴツめのしっかりとしたリングが入っていた。名前の通り、攻撃力を少し上げてくれそうな気がする指輪だ。もう一つは松明であった。  己が今いる場所は『岩山の洞窟』と言うらしい。その名の通り…

    • Lv.9:レミーラを覚えた。

      「レミーラ!!」 しかし、何も起こらなかった。何だろうと思い唱えてみたが何も起こらない。色々試した結果、どうやら洞窟を明るく照らすものらしい。外ではその光が見えずに何が起こっているのかわからなかったというわけた。丁度、マイラの村の南に降りる…

    • Lv.10:マホトーンを覚えた。

      「これは使える」 魔法封印呪文マホトーン。【まどうし】の脅威からおさらばだ。睡眠魔法(ラリホー)が使えない上に、ついでに火炎魔法(ギラ)も抑えてくれる。奴はもう敵ではない。討伐効率も跳ね上がり、意気揚々となる。 ある程度、余裕が出て来たので…

    • Lv.11:ガライの墓を目指した。

       王に挨拶をしてから、ラダトームの町へと戻る。何気に寄った町でまさか『銀の竪琴がガライの墓にある』と言う情報が聞けるとは、憶測が確信へと変わる。これで全て繋がった。  竜王の城に行くには三種の神器が必要。最後の一つはまだ分からないが、一つは…

    • Lv.12:リレミトを覚えた。  

      「リレミトォォォー!!」 覚えた瞬間に唱えた。ガライの墓はかなり最深部にあったため、魔力が尽きかけていた。偶然にも脱出する手段ができたことにホッとする。  竪琴は後で届けるとして先にドムドーラの町に行こうと歩く。ガライの町の南、ラダトーム城…

    • Lv.13:ルーラを覚えた。  

      「しまった。ここはラダトーム城の入り口か」 覚えたての呪文は取り敢えず使う。まさか、そこまで凄いことが起こるとは思ってなかった。 少し前まで、リムルダールの町から南下した場所で、金策と修行をかねてしていた。そこには【ゴールドマン】がいて通常…

    • Lv.14:何もなかった。  

      「ダメだー」 ラダトームの町の宿屋。ごろりとベッド横になる。何度挑戦しても先に行くことができない。元ドムドーラの町の近くまではスムーズに行けるようになったが、その先にあるだろうと思われるメルキドの町に行くことができない。 装備も武器も売って…

    • Lv.15:トヘロスを覚えた。

      「へー。これは便利だ」 呪文を唱えるとあたりから魔物の気配が消えた。ラダトーム城周囲では、モンスターが逃げることも多くなったが、出会い頭に戦うことが多くあり、流石に数をこなすと鬱陶しいと言う気分になる。気合いが削がれると、いざ強い魔物が出て…

    • Lv.16:案外あっけなかった。

      「意味がわからん」 軽い電流が流れているのか歩いている床は一歩毎に体力が奪われる。自分の体力に気をつけながら向かうは、長老の住む神殿。勇者ロトの血を引いてると言うのが証明できる印がある場所を知っている唯一の人物。 教えられたのは細かい数値で…

    • Lv.17:ベホイミを覚えた。

      「これか」 毒沼の中央に無下に捨てられていたそれ。鎧と同じく鳥の紋様が象られたメダルのようなもの。己が求めに求めていたものは、なんとも言えない場所に放置されていた。『勇者様、お役に立てましたか?』「…あ、はい」『嬉しゅうございます。…ぽっ』…

    • Lv.18:虹の橋を架けた。

       リムルダールの町から北西にある岬が竜王の島に一番近い場所。流れが速く、波も高く、船では無理と言われている。断崖絶壁の上にあるこの岬。昔、ロトがこの場所で橋をかけたとのこと。「頼むぞ」 取り出し高々と掲げると虹の雫と言う宝石が光輝く。辺りが…

    • Lv.19:ベギラマを覚えた。

      「致し方ない! ベギラマ!」 ベホイミを使われる程、厄介なものはない。少し剣で削り、トドメにこの攻撃魔法を使う。ギラに比べ遥かに性能は良いが、不安定なのは変わらない。消費も約二倍半だ。多用すると直ぐに魔力が底に着く。 上記のような【しにがみ…

    • Lv.20:竜王と対峙した。

      「よくぞ来た。わしが王の中の王、竜王である」 歓迎ムードにて確信を得る。こいつは最初から見ていたのだ。「わしは待っておった。そなたのような若者があらわれることを」 竜王は探していたのだ。実力のある人間を。「もしわしの味方になれば世界の半分を…

    • Lv.xx:そんなひどい。

      「死んでしまうとは何事だ!」「好きで死んだ訳ではないです!」 見慣れた光景。何度繰り返されたか分からない。「嘆かわしい。命をなんだと思っているのだ! 何人も帰ってこぬのじゃぞ!」「分かっております! これ所持金の半分ですから!」「これ、話は…

だいじなもの

    • No.01:王女の愛。

       勇者とは何か。勇者とはどうあるべきか。人々は口々に言う。『世界を救う者』『他の人が成し得なかった偉業を成し遂げる人物』『最後の希望』 ——…どれも正解だろう。しかし、役目を果たしたその人はその後どうなったのだろうか?「アレフ様? どうなさ…

    • No.02:太陽の石。

       ラダトーム城の死角にある城壁に囲まれた隙間を歩き、池の縁に地下へ降りる階段がある。以前来たときと変わらず薄暗い地下に賢者がいた。「なぜ太陽の石を守っておったかか?」「はい。あのときすぐに追い出されたので、詳しく聞きたいと思ったのです」 詳…

    • No.03:銀の竪琴。

      「ガライはなぜあそこに町を作ったのだろう」 当時の記録は残っていないらしい。初歩的な疑問が湧いた。海沿いの町で他国との交流は取りやすいかもしれないが、山を隔てる為、南東にあるラダトーム城や北東にあるマイラの村とは交流がやや取りにくい場所であ…

    • No.04:ロトの鎧。

      「ここがドムドーラの町」 姫は無残に廃墟となっている町に呆然と佇む。強い魔物の闊歩は既にもう無いが、荒れ果てた家々は、何も手を加えられずに放置されている。平和になったから再びこの町を復活させようと言う気力は、もう無いのだろう。「あれは…」 …

    • No.05:ロトの印。

      「そうですか、祖父は今までずっと伝説の鎧を守り続けていたのですね」 要塞都市メルギドの南西の隅にゆきのふの孫にあたる人が住んでいる家がある。「私の親はやっとの思いでここまで逃れて来たそうです。幸い店は儲かっていて蓄えもあったので、私は楽な生…

    • No.06:雨雲の杖。

      「そなたが無事に倒したようじゃな」 老人いや賢者は開口一番に目を細めて迎え入れてくれた。ここは温泉の村マイラの西にある雨の祠。雨雲の杖を管理している賢者が住まう所である。「もう一本いるか?」 賢者は宝箱から取り出し、ローラ姫に渡す。「大した…

    • No.07:妖精の笛。

      「そうだ、私が作った」 湖の町リムルダール、古来より湖の島に町を設けることで、外敵から身を守ったと言われている町。そこの宿屋の特別室に住んでいるのは、よしりーん——妖精の笛のありかを教えてくれた老人。「あのゴーレムは人が作り出したのか?」「…

    • No.08:虹の雫。

      「雨と太陽が合わさるとき虹の橋ができる」 古い言い伝え。これはロトがこの地に降りる前からある言葉らしい。それに従いロトは賢者に杖と石を託したと言う。「ついでじゃ、これを元あった場所に返しておけ」 投げ渡されたのは太陽の石。扱いが雑だな。国宝…

    • No.09:ロトの剣。

      「あぁ、わかったよ。なぜロトの剣がここにあったか、なぜ虹の賢者がここへ来るように言ったのか」 ここは竜王の玉座。竜王が巨大化したことにより、この部屋の一部が崩れ落ちている。「こんな場所で戦ったのですね」 戦闘の激しさが垣間見えたからか、後方…

    • No.10:光の玉。

      「という訳です。使われることはないかもしれないが、また暫く預かって欲しいのです」 導き出した答えを賢者に伝える。「お主らは揃いも揃って無責任だのう」 複数形で語られる。もう片方は恐らく勇者ロトだろう。未来を手渡す選択肢を与えているようで時の…

    • Lv.1:船に乗り旅立った。

       青き空。揺れる旗。遠去かる陸地、白い帆が風に乗っている。ここに使える人は『我こそは』とローラと勇者様を支えてくださる方。己はもう姫ではない。皆に見送られて本当の旅が始まる。「ローラ姫」 すぐ隣で同じ方向をずっと見つめていた彼が静かに己の名…

あふれたもの

    • 王の中の王。

       我が名は竜王。気高き信念を持ち、全ての頂点に君臨する王の中の王。人々が栄え、愚かにも衰退していく様を日々目にしてきた。高貴なる存在。 人々は我を恐れ、機嫌を伺う。我が人間如きに左右される訳がないと言うに…。人間共に分かりやすく言うなれば、…

    • 世界を救う勇者を救う者達。

      「間に合わなんだか」 預言者ムツヘタ、いや、精霊ルビスに選ばれし賢者は、ルビスの言葉に従い里を駆けていた。ルビスと契約し、己の時を操り無限の生を得た身でも、身体能力は人とそう変わらない。歩む速度がこれ程までに遅く歯がゆいと思ったことはない。…

    • 名もなき故郷

       ここはラダトーム城から南南西にある森の一角。人から存在があまり知られていない場所である。そこにこの地の英雄となった勇者アレフとラダトーム城の姫君であるローラが佇んでいた。 船出の時が近付いてきた時、アレフが旅立ちの挨拶をしたい場所があると…

    ※DQIの二次作置き場です。
     メインはプレイ日記と妄想を足して2で割ったようなお話です。
     FC版を主軸としています(プレイはWiiの復刻版のやつです)
     少しSFC版の設定を借りてます。矛盾点がある場合はFC版を優先。