DQVIII

ここは、呪われし姫君の書と呼ばれる場所である。

  ――ひと滴の幸せ――

何もない、からっぽの場所
そこから広がる園は
迷いの森
 
出口はどこにあるのだろうか?

からっぽの森

おさななじみのしょ

    • 迷いの森

       目が覚めたとき目の前に見える風景に呆然とした。ここは何処なのか何故こんな所にいるのか、理解できないている。「僕は…」 自分は誰なのかと考えとき、ちゃんと名前が出て来たから安心した。けど、それ以上事は何も思い浮かばなかった。(お腹が空いた……

    • 花輪

      「姫様! 危のうございます」 一人の兵士が無邪気に走り回る姫に注意を呼び掛ける。「平気よ。聖水を撒いてるから」 注意に耳を傾けず、うきうきした心で花の咲いている泉に向かう。久しぶりに父から許可がおりて行く外の世界。短時間とは言え嬉しくて堪ら…

    • 感謝の気持ち

      「キャァァァーーーー!!」 ミーティアの声が当たり一面に広がった。その後、必死で名前を呼んでいる。しかし、ミーティアに抱きかかえられる形で少年は背中から肩にかけてできた切傷から血が流し、ぐったりしたまま、動かなかった。 背後では魔法を発動し…

    • ジャガイモの皮剥き

       今日は誰にも文句を言わせない。だって、ちゃんと宿題も終えたし、きっと夕食まで誰もミーティアを探しに来ない。ということは、それまでエイトと遊べるわけで、今日は庭の花を探索しようと考えながら、エイトがいる場所を探し始めた。 「あら、姫様。今日…

    • 夕日と階段

       夕日を見ようと思い、城内を駆け足で歩んでいた。見張りの兵士がミーティアを見ていたがいつものことなのでさほど気にせず重たい扉を開ける。階段から見る夕日はとても好き。1日の終わりを告げているかのようにゆっくりと着実に沈んでいく。下方へ視線を移…

    • 最高のプレゼント

       キンキンと剣が擦れ鳴り響く訓練所内。エイトはその光景に目を奪われていた。家事一般を統括しているモーラさんに頼まれて予定より遅れてしまったタオルを届けるためだ。本来ならエイトが届けるはずではなかったのだが、皆今夜開かれるパーティで猫の手も借…

    • 最上階の眺め

       いつもの時間。兵士達は順番に最上階のベランダで見張りをしている。エイトは、この見張りの場所が好きらしい。美しい庭の花を見ながら見張る下の見張りも好きだが、遠く広がる世界を見渡すこの見張りも好きなんだと教えてくれた。それと…。っと言いかけて…

ぼうけんのしょ

    • 旅の始まり

       すべてが飲み込まれた。だからこそ、見失うわけにはいかない。  ここはとあるお城の最上階。辺りは荒れ果て、中央には歪な魔法陣が描かれている。その魔法陣に駆け寄るは一人取り残されたこの城の兵士。屋上で目覚め、生きているものを探し回り、ここ…

    • 旅の仲間

       足手まといじゃないということを証明したかった。ゼシカの全身全霊を憎きドルマゲスを追うことに集中する。焦りだけが、心を支配していたと思う。 何故なら、仲間になった彼らに『女はダメだ』だと言われているような気がしたから。特に、ヤンガスは歓迎さ…

    • 旅の意気込み

       仲間になりたてのククールの故郷ドニの町での別れを提供すべく、ククールとは別行動をとり、次の町への準備をエイト達は始めた。準備と言っても装備品はある程度整えた後だったので薬草や今後に必要な道具をそろえる程度であるが…。「ええとこっちの大陸に…

    • 旅の戦闘

       ククールと合流してから、『ククールの実力を見極める』と言う名目のもと戦闘を開始する。「現状は、僕がある程度指示を出して戦っている感じかな」 エイトは簡単に説明する。 ヤンガスは、兄貴についていきやすの一点張り戦闘に関しては前衛である。出だ…

    • 懐かしき歌声

      「あら? 素敵な曲ね」 ここは教会のそばにある水場。ご好意により無料で泊めてもらえるが、流石に食事は自炊しないといけない。近くの村で余った食材を分けてもらい、こうして用意しているところである。簡易な鍋料理で最後のひと煮立ち、沸騰するのをゆっ…

    • ひととき

       黙々と歩いていたエイトが急に立ち止る。「よし、この辺でちょっと休憩しよう」 振り返りながらそう言った。「休憩でがすか?」「うん、結構歩いたし疲れたんじゃないかな?」 この辺りだと川も近いしと、辺りを見渡す。「まだ行けるわよ? 平坦な道が多…

    • 朝露の中

       窓の外を見上げたククールは空がほんのりと明るくなっているのを確認して溜息をついた。「やっちまった」 つい酒場で時を忘れて楽しんでしまって気がつけばこの時間だ。今、向かっているのはエイトが取っているはずの宿。明日っと言っても、もう今日だがこ…

    • 紙に書かれた想い

      呪いそれは僕にかからなくて陛下や姫の姿を変えさせ そして 城の時を止めたもの…王それは僕に住む場所をくれた人世界の孤独から僕を救ってくれた姫それは僕に笑顔をくれた人心の孤独から僕を救ってくれた 2人は最も敬愛する人達勇気それは何事も恐れなく…

みらいのしょ

    • 茨の主

       トロデーン城の一室。ここは、唯一グランドピアノが置いてある部屋。本来、王家の姫君の部屋としてその役目を終えるはずであった。ミーティアはそのピアノの前に歩み寄り、蓋を開ける。白黒の鍵盤が姿を現し、弾いてくれと主張するように並んでいた。吸い込…

    • 大聖堂での噂

       サヴェッラ大聖堂の階段下付近の小さな広間。日常生活雑貨や大聖堂を見学しにきた旅行者が泊まる宿屋などがある部分だ。神秘的で一般人が無縁の場所と思える大聖堂に比べて、ここはなんとも人間味のある生活感あふれる場所である。「いやぁ、ここでの王家の…

    • 暗涙

      「んじゃぁ、この数字に倍賭」 カラカラと回るルーレットを見ながらククールはコインを差し出す。エイトほどの強運者ではないが、頭を使うことによってある程度は稼げる。ポーカーが主流じゃないのことにもう愚痴を溢すほど落ちぶれちゃいない。 サヴェッラ…

    ※DQVIIIの発売当時に書き散らした二次作置き場です。
     メインは当時の妄想を吐き出した主人公とミーティアを中心としたお話しです。
     PS2版を主軸としています。3DS版とは矛盾があると思います。
     過去ということでオリジナルキャラが多数出てきます。
     拙いところもあると思いますが見てやってください。