紙に書かれた想い

呪い

それは
僕にかからなくて
陛下や姫の姿を変えさせ
 
そして
 
城の時を止めたもの…

それは
僕に住む場所をくれた人
世界の孤独から僕を救ってくれた

それは
僕に笑顔をくれた人
心の孤独から僕を救ってくれた
 
2人は最も敬愛する人達

勇気

それは
何事も恐れなく、真っ直ぐ進む
そんな、心を持つ人
そして、僕にもっとも必要なもの
 
真っ直ぐ前を向くんだ
悲しんでばかりじゃいられない
もう、後戻りはできない

人情

それは
優しく、強く、そして、暖かい
 
ヤンガス、君がいてくれてよかった
何も知らない君を
波乱に巻き込んだのに
 
最後の最後まで
僕のそばにいてくれるから
すごく、心強いよ

お色気

それには
度肝を抜かされたかな
 
ゼシカ、君の結構無鉄砲さが
場を明るくしたときもあった
そして、勇気付けられたことも
 
女友達ができて姫様も嬉しそうだしね。

カリスマ

それは
超自然的・超人間的・非日常的な資質・能力。
 
それほどじゃなくても、
何処となくククールがでてくるね
辛くても、きっと、見せてくれないんだろうなぁ
脆くなって、壊れそうなときでも、
きっと何も言わない
 
でも、結構、僕の言いたいこといってくれたりして
すっきりしたんだよね。
 
「何で何も言わねーんだよ」
って良く言いってたけど
君が言ってくれてたんだよ

それは
希望で闇を照らすもの
でも、闇がないと光はその存在を消す。

それは
光の中での影の部分
でも、闇があるからよりいっそう大切なものが見える
 
闇といえば、色がない世界があったね
色がなくても人は生きていける
 
けど、何処となく寂しいと思うのは
色を知っているからかな
 
それとも、
光の世界の住人だから?

世界

それは
広いと思えば広く、狭いと思えば狭い
ドロデーン城、周辺から全世界を廻った
 
それでも、知らないことは多くある
 
僕にとっての世界はこのトロデーン城から始まり
大地を歩み、海を渡り、空を駆け巡って…
 
尚、今も広がっている

 

 

「ちょっと、何してんの?」
 ゼシカの声で反射的にノートを閉じる。
顔を上げれば不満そうなゼシカの姿が見えた。
これは…、とりあえず笑ってごまかすのは無理だろうな…。

 しばらく、にらめっこみたいなのが続いたけど僕は観念して、どうぞとノートを渡す。
「見てもいいの?」
 少し戸惑い気味にでも嬉しそうに聞かれて僕は頷いた。
もともと、見られて困るものではない。
最後のページ以外は……

「なんだ、錬金レシピノートだったのね」
 ぱらぱらと捲りながら面白くなさそうに呟いた。
「ずいぶん作ったわね。ノートの半分過ぎてるじゃない」
 そんなゼシカに小さく頷く。
そりゃぁ、陛下から錬金釜を使う許可が下りてから今まで随分たったからね。
再び過去を思い出しながらペラペラ捲るゼシカの手を見ていた。

「もういいわ。ありがとう」
 ゼシカはノートを返しながら言った。
しかし、それが僕の手に渡る前に第三者…ククールに取られた。
「甘いな、ゼシカ」
「甘いって何がよ?」
 ペラペラと確認しながらククールは言う。
「大体、こういうのはだな。最後の方に……ほらやっぱり」
「えっ、なになに?」
「………」

 あっ、見つかった。
あぁ、まぁいいんだけど。
別に、いいんだけど、恥ずかしいな。
ゼシカも興味津々でノートを覗き込んでるし、終いには風呂から上がってきたヤンガスまで加わって、読んでる。

 たまたま、見つけた本に挟まっていた紙切れ。
「8つの言葉」というやつを思ったまま書いてた。
途中からそれぞれのことについての語りにもなってたし…
ちょっと、やばいかも…。
あぁ、ちょっと意識が遠のく気がするよ。

「………」

 とりあえず、まだ、皆こちらを向いていない。
そんなに長い文じゃないから行くなら今しかない。

 ごまかしは利かないから、落ち着くまで逃げようかな。
うん、そうしよう。

 END–

お題製作者:8主同盟様