DQII

それぞれの居場所

 漕ぎ出した大海原。どのぐらいの世界を巡ったであろう。壊れ知らずの不思議な船は三人だけでも、きちんと動く。そこまで大きい船では無いが魔法の帆は風を受けて舵通りに動くのだ。魔物は襲ってくるが、撃退すれば問題がない。更にムーンの魔除の呪文『トヘ…

 Lv.xx:過去の追憶。

「なあ、おれには何で魔力が無いんだ?」 魔法学の基礎を勉強中。魔法の成り立ち、魔法陣の判別、形成方法などの教科書をペラペラと捲りながら尋ねる。この炎を出すにはと、爺の手から魔法陣が形成され、炎が浮かび上がる。その炎は基礎中の基礎ギラである。…

Lv.30:ハーゴンを退治した。

「覚えておくが良い、私が偉大なるカミの使いハーゴン様じゃ」 杖の先端の宝珠が光り、イオナズンが炸裂する。杖で叩くように攻撃してくるだけなのに打撃もキツイ。負けないとローレを中心に攻撃を仕掛ける。攻撃魔法で傷つくもその痛みを無視して素早く切り…

Lv.30:ハーゴンと対峙した。

「あなたは眠っていなさい。ラリホー」 つくづくムーンは敵に回したくないなと思う。お喋りな敵を黙らすかのごとく眠りへ誘う。敵は抵抗虚しく落下し、意識の闇へと落ち、そしてローレの斬撃で永眠へと葬った。 そう、【アトラス】を倒した一行が登った次の…

Lv.29:ローレシアの城に戻った。

「大分来れたわね」 大きな巨体を斬り伏せ、一息と共に一振り刃に着いた汚れを遠心力で払い落とす。二人にもここまで来れた事への安堵が混じっている。何度も往復した後、ロンダルキアの南西部、禍々しい城塞が見える場所まで辿り着けた。「なんか落としたぞ…

Lv.28:絶望を体験した。

「そうよ! マヌーサよ」「どうしたの?」 銀世界を歩いている時にムーンが唐突に声を出した。「攻撃がキツイ相手いたじゃない? 視覚を奪えば良かったのよ」 ムーンが言うには痛恨が飛んで来る【ギガンテス】に効果がないか、次あったら試すとのこと、ラ…

Lv.27:銀世界の中を歩いた。

 暗い洞窟の中。求めていたものは、一度、落とし穴に落ち、もう一度、落とし穴に落ちた先にあった。「まさか、本当にあるなんてね」 ムーンが感嘆する。噂は聞いていたが、どこにあるかは不確定要素であった。ローレの“ここの洞窟にある”と言う謎の自信が…

Lv.26:ロンダルキアへの洞窟に潜った。

 ここは水の都ベラヌールの町。ロンダルキアへの洞窟がある大陸と直結している旅の扉があり、何度も挑戦するには打って付けの場所である。その宿屋で三人は議論を交わす。「集団で襲われたとき、何もできなさ過ぎるね」 サマルが自己の脳内の整理を兼ねて、…

Lv.25:精霊ルビスにあった。

「ムーン」 壮大に効果のある呪文は、その分消費も激しくなる。サマルの心配を目の当たりにして、ムーンは瞳を閉じて何度か深呼吸する。そして、真っ直ぐにサマルを見つめて微笑む。「大丈夫よ。戻りましょう」 意志の強さを見てサマルも微笑む。「それだけ…

Lv.24:邪神の像を見つけた。

「ターゲットはおれだぞ!」 死地を乗り越え、何度目かの海底の洞窟。流石に慣れてきたと言うべきだろう。【キラータイガー】の攻撃を防ぎつつ叫ぶ。「ローレ! 今、回復するわ!」 【キラータイガー】の対応は直ぐに誰を標的にしているか把握、ムーンとサ…

 Lv.xx:ムーンの心の闇。

 冷たい風が頬を撫でる。「ムーン! しっかりして、我を保ってお願いだから!!」 異様なサマルの叫び声。ここまで声を荒げる姿を今まで一度も見たことない。相当な緊張感が垣間見える。ここで完全に意識を取り戻したローレは急いで起き上がり、あたりの状…

 Lv.xx:ムーンブルクの最期。

「サマル?」 自身の声が遠くに響く。「ローレ?」 返事は返らない。頭では理解しているつもりだった。彼らは棺桶に入ったのだと。棺桶——瀕死の状態を保持し、蘇生呪文が間に合うようにロトの御守りの力で形成した、人を入れる容器——の状態であり、死亡…