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No.06:雨雲の杖。

「そなたが無事に倒したようじゃな」 老人いや賢者は開口一番に目を細めて迎え入れてくれた。ここは温泉の村マイラの西にある雨の祠。雨雲の杖を管理している賢者が住まう所である。「もう一本いるか?」 賢者は宝箱から取り出し、ローラ姫に渡す。「大した…

No.05:ロトの印。

「そうですか、祖父は今までずっと伝説の鎧を守り続けていたのですね」 要塞都市メルギドの南西の隅にゆきのふの孫にあたる人が住んでいる家がある。「私の親はやっとの思いでここまで逃れて来たそうです。幸い店は儲かっていて蓄えもあったので、私は楽な生…

No.04:ロトの鎧。

「ここがドムドーラの町」 姫は無残に廃墟となっている町に呆然と佇む。強い魔物の闊歩は既にもう無いが、荒れ果てた家々は、何も手を加えられずに放置されている。平和になったから再びこの町を復活させようと言う気力は、もう無いのだろう。「あれは…」 …

No.03:銀の竪琴。

「ガライはなぜあそこに町を作ったのだろう」 当時の記録は残っていないらしい。初歩的な疑問が湧いた。海沿いの町で他国との交流は取りやすいかもしれないが、山を隔てる為、南東にあるラダトーム城や北東にあるマイラの村とは交流がやや取りにくい場所であ…

No.02:太陽の石。

 ラダトーム城の死角にある城壁に囲まれた隙間を歩き、池の縁に地下へ降りる階段がある。以前来たときと変わらず薄暗い地下に賢者がいた。「なぜ太陽の石を守っておったかか?」「はい。あのときすぐに追い出されたので、詳しく聞きたいと思ったのです」 詳…

No.01:王女の愛。

 勇者とは何か。勇者とはどうあるべきか。人々は口々に言う。『世界を救う者』『他の人が成し得なかった偉業を成し遂げる人物』『最後の希望』 ——…どれも正解だろう。しかし、役目を果たしたその人はその後どうなったのだろうか?「アレフ様? どうなさ…

Lv.xx:そんなひどい。

「死んでしまうとは何事だ!」「好きで死んだ訳ではないです!」 見慣れた光景。何度繰り返されたか分からない。「嘆かわしい。命をなんだと思っているのだ! 何人も帰ってこぬのじゃぞ!」「分かっております! これ所持金の半分ですから!」「これ、話は…

Lv.20:竜王と対峙した。

「よくぞ来た。わしが王の中の王、竜王である」 歓迎ムードにて確信を得る。こいつは最初から見ていたのだ。「わしは待っておった。そなたのような若者があらわれることを」 竜王は探していたのだ。実力のある人間を。「もしわしの味方になれば世界の半分を…

Lv.19:ベギラマを覚えた。

「致し方ない! ベギラマ!」 ベホイミを使われる程、厄介なものはない。少し剣で削り、トドメにこの攻撃魔法を使う。ギラに比べ遥かに性能は良いが、不安定なのは変わらない。消費も約二倍半だ。多用すると直ぐに魔力が底に着く。 上記のような【しにがみ…

Lv.18:虹の橋を架けた。

 リムルダールの町から北西にある岬が竜王の島に一番近い場所。流れが速く、波も高く、船では無理と言われている。断崖絶壁の上にあるこの岬。昔、ロトがこの場所で橋をかけたとのこと。「頼むぞ」 取り出し高々と掲げると虹の雫と言う宝石が光輝く。辺りが…

Lv.17:ベホイミを覚えた。

「これか」 毒沼の中央に無下に捨てられていたそれ。鎧と同じく鳥の紋様が象られたメダルのようなもの。己が求めに求めていたものは、なんとも言えない場所に放置されていた。『勇者様、お役に立てましたか?』「…あ、はい」『嬉しゅうございます。…ぽっ』…

Lv.16:案外あっけなかった。

「意味がわからん」 軽い電流が流れているのか歩いている床は一歩毎に体力が奪われる。自分の体力に気をつけながら向かうは、長老の住む神殿。勇者ロトの血を引いてると言うのが証明できる印がある場所を知っている唯一の人物。 教えられたのは細かい数値で…